最新リリース

- 2024年10月28日
- 14曲
- CHROMAKOPIA · 2024年
- Flower Boy · 2017年
- IGOR · 2019年
- Isolation · 2018年
- CHROMAKOPIA · 2024年
- CALL ME IF YOU GET LOST · 2021年
- CHROMAKOPIA · 2024年
- Flower Boy · 2017年
- Noid - Single · 2024年
- CHROMAKOPIA · 2024年
必聴アルバム
- 2021年のアルバムに8曲追加。エイサップ・ロッキー、Vince Staples参加。
- Odd Futureのリーダーとして2000年代後半にシーンに登場して以来、持ち前のユニークなセンスでカルチャーアイコンとしても独特な存在感を放ってきたタイラー・ザ・クリエイターが2019年にリリースした通算5作目のソロアルバム。ラップの比重を減らして歌の比重を増やし、メロディとハーモニーにフォーカスしたメロウなボーカルパートに大胆にエフェクトを施し、ローファイでノイジーかつトリッキーなトラックとブレンドして作り出された世界観はユニークそのもの。「PUPPET」にカニエ・ウェスト、「I THINK」にソランジュといったゲストの参加に加え、「GONE, GONE / THANK YOU」では山下達郎の「Fragile」を引用していることも話題になった。彼ならではのポップで、不思議なサウンドスケープを描き出すプロデューサーとしての確かな手腕も強く印象付けた本作は、キャリア初となる全米チャート1位を記録した。このアルバムはApple Digital Masterに対応しています。アーティストやレコーディングエンジニアの思いを忠実に再現した、臨場感あふれる繊細なサウンドをお楽しみください。
- アンダーグラウンド・ヒップホップシーンの“恐るべき子ども(アンファン・テリブル)”として知られていた頃の、挑発的でひねくれた初期3作品でも、タイラー・ザ・クリエイター自身が抱える不安や自己嫌悪を垣間見ることができた。だが、2017年にリリースされた4作目のアルバム『Flower Boy』で、彼は血を吐く思いで日記を書くように楽曲を生み出すラッパーとしての役割を自覚的に引き受けた。そして、衝撃に訴えかけるものを取り去り、愛の悩みや孤独の表現を全面的に受け入れたのだ。タイラー・ザ・クリエイターは、ジャンルの壁を超越した存在でありながらPharrell Williamsのようなファルセットで優しく歌うようにライムを紡ぐ作家性の強いアーティストとして、ヒップホップとネオソウルとチルジャズが交差する地点に降り立った。 後にヒットメイカーになるSteve Lacyやカリ・ウチスといったアーティストのキャリア初期のパフォーマンスが楽しめる『Flower Boy』は、音楽全体が今後どのような方向に進むのか、その方向性を多角的に示した先見的な作品だったといえる。アルバムには、タイラー・ザ・クリエイターの盟友フランク・オーシャン、ヒーローであるPharrell Williams、ラップのスーパースターのエイサップ・ロッキーとリル・ウェイン、そしてScHoolboy Qといったゲストが参加している。それでも『Flower Boy』はあくまでもタイラー・ザ・クリエイターという唯一無二のアーティストのパーソナルな意思表明である。それが図らずもヒップホップの新たな方向性を示すことになったのだ。
アルバム
- 2024年
- 2017年
- 2015年
- 2024年
- 2023年
- 2023年
- 2023年
アーティストプレイリスト
- 2024年
参加作品
- Brent Faiyaz & DJ Dahi
タイラー・ザ・クリエイターについて
2008年ごろにタイラー・ザ・クリエイターが全国的に名前を知られ始めたとき、彼はともすれば一発屋、言い換えれば、注目されたくて手当たり次第になんでも(大量殺人、レイプ、カニバリズムなど)扱いたがる生意気な若者と片付けられる存在だった。しかしその後、数年のうちに彼はヒップホップの真の博識家へと成長し、ラップ、作曲、プロデュース、アートディレクションだけでなく、服のデザインやテレビ番組の制作まで手掛ける独立したブランドに進化した。攻撃的かつ超現実的で、辛辣(しんらつ)で無邪気なほど内省的な彼のビジョンは、自分の感情をうまくつかめずにすぐに手放してしまうオーディエンスの自我を捉えていたのだ。1991年に生まれ、ロサンゼルス郡で育ったタイラー(本名Tyler Okonma)は10代初期に音楽を作り始め、2007年にはコレクティブのOdd Futureを共同創設する。メンバーの中には同じく常識破りなEarl Sweatshirt、フランク・オーシャン、Syd Tha Kydがいた。Pharrell Williamsの多彩な音楽性と、強烈な印象を残す彼独自のモノローグにインスパイアされ、2011年に正式なデビューアルバム『Goblin』を発表した。そのアルバムタイトル曲でのラップはこうだ。「ワオ、人生は女性ホルモンにあふれたかわいいビッチだ。彼女がレモンを投げてよこしたら、ブラザー、道行く人に投げつけてやれ (Wow, life’s a cute b***h full of estrogen, And when she gives you lemons, n***a, throw ’em at pedestrians.)」。ぶしつけで悪夢のように辛辣に響くこのアルバムは彼をアンチヒーローに仕立て上げ、悪評によってタイラーはより一層ファンに愛されるアーティストになった。『Wolf』(2013年)と『Cherry Bomb』(2015年)では同じく精神的な領域を追求しつつもニュアンスを徐々に進化させ、「FIND YOUR WINGS」ではソウルジャズを、「Tamale」ではラテンミュージックを、そして「Awkward」では1990年代R&Bを掘り下げ、作品自体もより洗練されていった。まるで不協和音とカラフルさが共存し、あらゆる色合いの悪い感情が虹を織りなすかのように、そのサウンドはファンを魅了していく。2017年にリリースした『Flower Boy』では、弱さをさらけ出した表現と多彩なサウンドを取り入れた面でひとつ成長した様子がうかがえる。若きパンクスから複雑な若者への成長を示したこのアルバムは、最終的にグラミー賞にもノミネートされた。その一方で、彼は時間をやりくりして3つのテレビ番組(『Loiter Squad』『Nuts + Bolts』『The Jellies』)を手掛け、ストリートウェアのブランドであるGolf Wangを立ち上げ、Camp Flog Gnaw Carnivalという毎年恒例のフェスティバルも創設。彼以前のカニエ・ウェストやPharrell Williamsのように、そして彼以降のブロックハンプトンのように、タイラーはヒップホップの新たな時代を象徴している。アイデンティティとセクシャリティを操りつつ、スケート文化やセラピートーク、インターネット上のめくるめく奇妙な人生など、さまざまな影響を取り入れることで、ラップのボキャブラリーを広げながらも、過去を継承し続けている。そして2019年には、それまでのキャリアの中で最も感情的で胸の内をさらけ出したアルバム『IGOR』を発表した。
- 出身地
- Hawthorne, CA, United States
- 生年月日
- 1991年3月6日
- ジャンル
- ヒップホップ/ラップ